アンチ
ミーハーに対するアンチだとか、安易な反骨精神を原動力にしている人は、世の中がグラグラ不安定になると立場を失いがち。
だから、そういう人はこの機会に独自のスタイルを模索し再構築すればいいんじゃないカシラ。
というようなことを、友人とすれ違い様に話した。
なんだか偉そうな物言い。
しかし、「そういう人」とはまさに私自身のことなのであった。
STARLIKEを二部構成にしたのは、「アンチとアンチからの脱却」という個人的な意図があった。
そして図らずも、物語の最終局面を製作中に世の中のムードがガラリと変わったことで、自身のテーマにより真摯に向き合わざるを得なくなってしまった。
ところがどっこい、私という人間は安易な反骨精神を捨てたら案外何も残らなかったのだ。
自分の殻を破りたくても破れず、ウィルス禍の後押しで強制的に破れたものの、殻の中身は空っぽだったという、なんとも冴えないオチである。
だったら新たに中身を作ればいいじゃない、と嘯いてはみたものの、気軽に言ってくれちゃってという感じである。
でも、作品にとっては重要なことで、作者がやむを得ず追い詰められたことはむしろ幸運なことなのかもしれない。
結果盛大にウンコが出来上がるにしても、絞り出した上でなければ意味が無い。
とりあえず漸く今ここ。