真・アナ雪
- 2017/04/05 21:40
またアナ雪を観逃してしまった。
この間テレビ放映されていた時に一応観ておこうかと思っていたのだが、タイミングが合わず。
よって、私の中では未だにflamboybandのラジオで語った妄想のアナ雪こそが真のストーリーである。
多分もう時効(?)なのでここにその原稿を掲載したいと思う。
【真・アナ雪】
物語は、主人公のアナが、とある雪国にスキー旅行に訪れたところから始まる。
そこは雪を観光資源として栄えている小国で、雪の女王が降らせる雪によって、低緯度にも関わらず年中雪が積もっていることで知られている。
序盤はアナがその雪国で楽しく過ごす場面が描かれる。
しかし、話が進むにつれ徐々にこの国の暗部が露呈し始める。
この国は王国ということになってはいるが、雪の女王にはほぼ権力は無く、体裁として祭り上げられているだけの人工雪製造マシーンという扱いで、実質城に幽閉されている。また、雪の女王は長年力を使い続けたせいで不調をきたしており、それが問題となっている。
そして、実はアナは雪の女王の生き別れの妹であり、次期女王としての素質を探るために情報機関によってこの国へと誘導されていたということが視聴者に明かされる。
情報機関の動きを察知した女王は、妹に危機を報せるため城を抜け出し、何も知らないアナに早くこの国を去るよう忠告する。が、時既に遅く、次期女王候補としてマークされたアナは指名手配されてしまう。
アナは雪の女王の助けを借りながら雪国からの脱出を図るが、交通機関を押さえられ、徒歩での山越えを余儀なくされる。
中盤は夜の雪山での追走劇がメインとなり、闇夜の雪景に浮かび上がる山狩りの松明は、本作品のキービジュアルの一つとなっている。このシーンにおける松明の光の反射には、専用に開発された特殊なアルゴリズムが採用されており、特に苦心したポイントであると、DVD&ブルーレイの特典映像のメイキングで語られている。
最新CGで描かれた雪山でのアクションシーンは圧巻。
また、序盤アナと交流のあった人々が鉈や鎌を手に手に迫ってくる映像には、劇場で泣き出す子供も続出したという。
しかし本当に泣けるのは、雪ダルマ・オラフの自己犠牲シーンである。生活環境に積雪を必要とする種族のオラフは、女王の確保を支持し、当初追手の側についているが、次第に政府のやり方に疑問を持つようになり、二人の協力者となる。そして山狩りに追い詰められた二人を逃がすため身体を張り、松明の炎に炙られ溶けて消えてしまうのであった。
苦難の末、二人は山越えを達成するかに見えたが、後少しというところで雪崩に見舞われ分断されてしまう。
そしてアナは追手に捕まり、女王は選択を迫られる。このまま一人で逃げれば自分だけは自由の身になれるようにも思えた。が、女王はアナの救出を決意し、単身城へと乗り込むのである。
それまで雪の力を直接的な攻撃手段に用いることをタブーとして自らに課していた女王だったが、ついにその禁を破り、能力で追手をなぎ倒し進んでゆく。女王の無双バトルシーンは終盤の見せ場である。
ラスト、女王は玉座の間に辿り着く。
そこには、敵の親玉(雪国の宰相)と、そして雪の女王のドレスを着たアナの姿が。
アナが次期女王と決定された今、当代の雪の女王は最早不要とばかり、宰相は兵士たちに女王の抹殺を命令する。多勢に無勢の上、アナを人質に取られ女王は為す術もなく蜂の巣にされる。
しかしそこで、絶望した雪の女王の嫌ボムが発動し、致命的な凍結現象が国を覆い尽くすのであった。
そのシーンで満を持してLet it goが流れる。ありの~ままの~♪
ここが映画のクライマックスで、フルコーラスを使って、国が滅んでゆく様が延々と描写される。やたら凝ったCGで阿鼻叫喚の地獄絵図をこれでもかと表現。
悲鳴を上げながら逃げ惑う民衆一人一人の動きや、キャラクターが氷漬けになったそばから粉雪にまで分解されてゆく精密なアニメーションは必見。メイキングにおいても、このシーンだけで作るのに半年かかったと監督は語っている。
エンディングはアナだけが生き残る。
力を暴走させた雪の女王は、自身も凍結して粉々になってしまうが、アナの命だけはなんとか守った、ということで、若干イイ話的な感じに。
雪の女王が死んだことで凍結現象は解除され、アナの足元から雪解けが広がってゆく。
国を覆っていた雪は瞬く間に消滅し、魔法のように大地から緑が芽吹く。これはストーリー中盤にある「雪なんて大嫌い」という女王の告白が伏線となっており、最後の最後で彼女は雪の女王以外の何者かになれた、ということを暗示している。そこで視聴者はLet it goの歌詞の意味に気付かされる。それを踏まえた上でもう一度観たくなる、という趣向。
美麗なCGで描かれる、緑溢れる野原に一人佇むアナ。ということろで「Fin」
エンディング曲はMay J.バージョンの「粉雪」