本2
- 2022/07/30 22:02
- カテゴリー:雑記
昨年のブログで、「全部電子書籍で済まそうと思ったけどやっぱ紙の本必要だわ」という今更な記事を書いたのだが、これまた今更改めて思い直したことを記しておきたい。昨年の記事では「電子と紙とでは読み手のモードに変化があるから、用途に合わせて選べ」的なことが書かれているが、最近思うのは「電子と紙とではそもそも情報量が全く違う」ということだ。どちらも文字を記録したものであるのは同じだが、紙の本はその物自体が情報の塊なのである。形、色、重さ、手触り、匂いなどを持つ、謂わばテキストの肉体である。情報量が多い生身のお付き合いなのである。だから、電子と紙で読み手のモードに差が出るのは当たり前のことで、オンミーティングとオフミーティングの使い分けが重要になってくるわけである。テキストの概要だけを求めるならば電子媒体で十分、お前の全てが欲しいのであれば紙媒体が必須、といった具合に。個人的に紙媒体が欲しいのは、やはり小説である。小説は概要を得るためのものではなく、読み手自身が膨らませたイメージを体験するものだから、生身と直に向き合いたい。お前の全てが欲しい。テキストのみではなく、形、色、重さ、手触り、匂い、味、その他を余すところなく感じ、イメージを膨らませたいのだ。じゅる。