第8話は「黒い豆司馬現る」「男爵再び」の二本立て。
どちらも元々は独立したエピソードとして考えていたのだが、長さの都合上ミックスする形となった。
結果として、ギャグ(馬)、シリアス(男爵)のストーリーが並行するという、構成レベルで「Kinokoらしさ」を体現した回となった。
この回を作っている時はもう既に、Kinoko製造マッスィーンたる作者は、口の両端に線が入り頭に変なアンテナが立つ最終形態に。「Kinokoのあるべき姿」の追求に余念が無い。というか、無理が無い。ナチュラルボーン・Kinoko製造マッスィーンの境地だ。
当時の記憶は微妙にぼやけて曖昧なのだが(トラウマ的な障害か?)、制作後記のためにKinoko3をプレイして感じたのは、第8話でようやく手探り感が無くなったなということ。まあ、ここからが一番作りたかった部分、というか壊したかった部分なわけで、それもそうか。
二重構成の第8話だが、馬パートと男爵パートでは、馬パートの方が比重が大きい。やはりKinokoシリーズのカオスの象徴とも言うべき、馬マスクの実写キャラの殉職シーンともなれば、それ相応の尺が必要だ。しかし馬対決のシーンが濃ゆ過ぎて、そればかりが印象に残ってしまう罠。
この制作後記では、取り上げる話に合わせてBGMを一曲ピックアップしているが馬対決の戦闘曲である「キノコ128%umanamix」を使用するのは正直躊躇われた。久しぶりに聴いてゲラゲラ笑ってしまったが、アレは間違い無く公序良俗に反する。第8話までついてきてくれた剛の者にのみ「手屁ッ」と言いながら差し出せる代物だ。