Kinoko3制作後記 第10話
- 2011/08/23 20:52
- カテゴリー:動画, Kinoko3制作後記
第10話~第11話は「劇場版」あるいは「最終回1時間スペシャル」的なノリを意識して、演出上一続きの話になっている。
とりあえずその前編である第10話だが、メインキャラクターの殉職シーンオンパレード&妻科市大崩壊という「Kinoko壊し」のクライマックスである。
とにかく登場人物がぼこぼこ死ぬ。しかも、それぞれのシーンに結構な長尺をとって。
作者は既に体力的にも精神的にもかなり息切れしていたが、ここがKinoko3のメインなので手を抜くわけにも行かず、白目を剥きつつ最後の力を振り絞って作業をしていた。
作者的にはラスボス戦よりもむしろ10話の殉職シーンのほうがラスボスのように感じらたものだ。それぞれのキャラクターに愛着が湧いていたという感傷的な抵抗も少しはあったが、それよりもなによりKinokoキャラはとにかく「死ななそう」だったのだ。
基本コメディーノリでもあったし、キャラクター自体も皆一筋縄では行かない奴らばかり。それを二度と復活出来ないくらい、説得力を以て退場させるのはかなり骨の折れるミッションだ。
あまり重くはしたくなかったのだが、どうしても「逃げ場の無いシチュエーション」を描く必要があり、ギャグを交えつつも結構悲惨な展開になってしまった。
あとVガンネタ多すぎ(笑)
前作の主人公・姫路佳世の最期を描くのは特に大変だった。
なにせかなり理不尽な最強設定である。まず死にそうにない。
しかし本作の主人公である鶴見太郎が、最後の最後で真の主人公として復活するためにも、師との別れは絶対に必要だった。それが死別でなくても良かったような気もするが、Kinokoを代表するキャラクターである姫路の死は、豆司馬殉職にも勝るKinoko壊しの象徴だったのだ。
しかし姫路はKinokoユーザの間で妙に人気なのが不思議だ(笑)
2・3ともにほとんど女性キャラとして扱われていないし、それどころかKinokoシリーズで最も「男らしい」キャラクターであると言えるのではないだろうか。というかそこが良かったのかな?
作者としてもこのキャラはお気に入りで、最期のシーンをどう描いたものかと頭を悩ませたものである。酷いオチがついちゃったけど。
実を言うと、第9話でユーザ参加企画を開催していたくらいの段階でわりと心境の変化があり、べつに何がなんでも全部ぶっ壊さなくてもいいんじゃないか、という気持ちになっていたのだが、変なところで律儀なので当初の予定通り第10話はきっちり破壊した。初志貫徹である。
にしても、「1」はあんなにほのぼのしていたのに、どうしてこうなった……。
心毒
姫路の決着は(酔って)見る度に泣いてしまいます。まぁ最期のセリフで笑ってしまうんですが。
……あのセリフというか設定は――ユーザーへの気遣い?(笑