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Kinoko3制作後記 第10話


第10話~第11話は「劇場版」あるいは「最終回1時間スペシャル」的なノリを意識して、演出上一続きの話になっている。
とりあえずその前編である第10話だが、メインキャラクターの殉職シーンオンパレード&妻科市大崩壊という「Kinoko壊し」のクライマックスである。

とにかく登場人物がぼこぼこ死ぬ。しかも、それぞれのシーンに結構な長尺をとって。
作者は既に体力的にも精神的にもかなり息切れしていたが、ここがKinoko3のメインなので手を抜くわけにも行かず、白目を剥きつつ最後の力を振り絞って作業をしていた。

作者的にはラスボス戦よりもむしろ10話の殉職シーンのほうがラスボスのように感じらたものだ。それぞれのキャラクターに愛着が湧いていたという感傷的な抵抗も少しはあったが、それよりもなによりKinokoキャラはとにかく「死ななそう」だったのだ。
基本コメディーノリでもあったし、キャラクター自体も皆一筋縄では行かない奴らばかり。それを二度と復活出来ないくらい、説得力を以て退場させるのはかなり骨の折れるミッションだ。
あまり重くはしたくなかったのだが、どうしても「逃げ場の無いシチュエーション」を描く必要があり、ギャグを交えつつも結構悲惨な展開になってしまった。
あとVガンネタ多すぎ(笑)

前作の主人公・姫路佳世の最期を描くのは特に大変だった。
なにせかなり理不尽な最強設定である。まず死にそうにない。
しかし本作の主人公である鶴見太郎が、最後の最後で真の主人公として復活するためにも、師との別れは絶対に必要だった。それが死別でなくても良かったような気もするが、Kinokoを代表するキャラクターである姫路の死は、豆司馬殉職にも勝るKinoko壊しの象徴だったのだ。

しかし姫路はKinokoユーザの間で妙に人気なのが不思議だ(笑)
2・3ともにほとんど女性キャラとして扱われていないし、それどころかKinokoシリーズで最も「男らしい」キャラクターであると言えるのではないだろうか。というかそこが良かったのかな?
作者としてもこのキャラはお気に入りで、最期のシーンをどう描いたものかと頭を悩ませたものである。酷いオチがついちゃったけど。

実を言うと、第9話でユーザ参加企画を開催していたくらいの段階でわりと心境の変化があり、べつに何がなんでも全部ぶっ壊さなくてもいいんじゃないか、という気持ちになっていたのだが、変なところで律儀なので当初の予定通り第10話はきっちり破壊した。初志貫徹である。
にしても、「1」はあんなにほのぼのしていたのに、どうしてこうなった……。

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コメント

心毒

姫路の決着は(酔って)見る度に泣いてしまいます。まぁ最期のセリフで笑ってしまうんですが。
……あのセリフというか設定は――ユーザーへの気遣い?(笑

  • 2013/09/13 05:22:06

木那小太郎

10は展開に併せた毒々しい色の空が印象的でした。
BGMの切り替えから11話に繋ぐ演出も格好良かったです。
ただ、太陽の塔と戦うシーンを普通に読み進めていると、私の読むのが遅いせいかもしれませんが、一番盛り上がる辺りでBGMが終わって途切れてしまうのは少し残念。

姫路の人気は女の子としての人気よりも、なにか大暴れ的な人気なんじゃないかなぁと思います。とりあえず私も好き。

  • 2013/09/13 05:22:06

紫色のうさぎ

2と3の序盤まで、ある位相のカタルシスを姫路がほぼ一人で背負ってましたよね。毒を昇華して天を貫く、的な逆巫女キャラは新しかった。彼女にはメンヘラたちの夢が詰まってるぜ!
あと、個人的に「ヘタレの壁」の具象化が面白かった

  • 2013/09/13 05:22:06

NOIE

>あの台詞
「嫌な捨て台詞」と「最初で最後のデレ」みたいな(笑)

>一番盛り上がる辺りでBGMが終わって途切れてしまう
曲ありきでシーンを作っていたんですが、長めの曲に合わせて気合入れて書いたら、盛大にはみだしちゃったんですよね…。

>逆巫女キャラ
その解釈は新しいですね。
そう考えると、最終的に自身が生贄的な立場になってしまったことも意味深?

  • 2013/09/13 05:22:06

森広

太く短く、やらかしてしまったキャラでしたからね。もちろん、好きでしたけど。
生贄になった時に後付けサクサクな意味があったんでしょう。
ラストの台詞はそりゃそうでしょうと苦笑いするしかありませんでした(笑)

  • 2013/09/13 05:22:06

NOIE

太く短く、確かにそんな感じですね。
どう考えても長生き出来ないタイプです。

こんなキャラクターは、制作当時の「よくわからない怨念MAX状態」でないと生み出せなかったと思います。
死に顔のあの悪鬼のような形相は、ギャグにせよ果たして今描けるかどうか…。

  • 2013/09/13 05:22:06

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