第2話の基本的な構成要素は、ヒロイン(?)の一人如月清菊の登場と、戦闘におけるエクストリーム攻撃の導入。
前回、1話目の生みの苦しみは特別であると書いたが、2話目には2話目の苦しみが待っている。というかそれ以降もなんやかんやで苦しいので、結局「特別」などというものは無いのかもしれない。
第2話のシナリオではまず、1話でひっくりかえった状況をある程度整理整頓しなければならない。面倒だ。しかも、この回から前作のキャラクターが多く登場するようになる。シリーズ全キャラクター総出演、という目標を立てたので当然だが、しかしこれもまた面倒くさい。
だが、キースや安岡などのKinokoキャラクターを出すことによって、なんとなくカンのようなものを取り戻すことは出来た。既に勝手に動くようになっているキャラクターというのは、作者にとっても心強い味方だ。奴らは「Kinokoらしさとは何ぞや」というようなことを作者に思い出させてくれた。
Kinokoを作るのに大事なのは「いい加減さ」である。それは「良い加減の脱力」とも言いかえられる。とりあえず肩の力を抜け、とKinokoキャラクター達は言っているように感じられた。
そういうこともあり、物語はかつてなく大変なことになっているにも関わらず、交通整理はかなり強引にさらりと済まさせて貰った。
新キャラクター、如月清菊はギタークラッシャーのパンク少女である。
当初清菊は敵として登場する予定だった。人でありながら妻科を襲う謎の敵、のような。しかしストーリー分岐を簡易化する都合上、分岐に関わるヒロインキャラを、絡ませづらいポジションに置くことが出来なかったので没となった。清菊の登場シーンとして最初に思い浮かんだのは、戦車を次々と破壊しながらギターを片手に歩いて来る、というものだったのだが、それが使えなくなったのはちょっと残念である。
戦闘でのエクストリーム攻撃のシステム回りは、第2話のシナリオと同時に作っていた。基本的に全て泥縄式であり、システムの拡張なども後付けである。よって、スクリプトは回を追うごとにどんどん汚くなるのであった。
前作「2」から導入された戦闘シーンだが、「3」ではシステムがより複雑になっており、これが労力的なコストを跳ね上げさせていた。タッグ戦の基本システムは立案を含め約一ヶ月で構築出来たが、その後もエクストリーム攻撃の実装、特殊演出効果の対応などで、最後の最後まで苦しめられるパートとなった。
第2話ではエクストリーム攻撃の他に、チュートリアルの作成もあったので、さらに地獄を見ることに。ゲームは分業で作るべき物だ。それは間違いない。