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Kinoko3制作後記 第3話


第3話は、しいたけ怪人シイタの登場回。これまたヒロイン(??)なキャラクターだが、ストーリー分岐に関わる三人のうちの一人である。
Kinoko3は当初「嘘ギャルゲー」になる予定だったのだが、第1話を作った段階で既に見た目が全然足りていないことを思い知らされ、どうでもよくなってしまった。
嘘ギャルゲー的には、シイタは裏ヒロイン的な釣りキャラになるはずだったが、そのノリを放棄してしまったせいでなんだか宙ぶらりんな存在に。劇中でも太郎が「お前、なんか変じゃない?無理矢理作ってるってゆーか、キャラ定まってないってゆーか」とツッコミを入れているが、それは本当に定まっていなかったのである。
しかし、なんとなくストーリーに沿って勢いだけで描いていった結果、三人のヒロインの中で最もKinokoらしい、ヘタレた嫌キャラになった気はする。怪我の功名か。

シイタの相棒「ドウター」は、全キャラ中何故か一人だけフルボイス、というネタキャラだ。CVは、SMARTTALKという読み上げソフトの体験版なのだが、いざ製品版を買おうとしたら既に販売終了していてびっくり。既にある程度ボイスを作ってしまった後だったので、結局そのまま体験版を使うことに。体験版は男性ボイスのみしか使えないので、あの不気味な声で固定になってしまった。
ちなみに既存の選択肢にあるネーミング候補で人気なのは「チュパカブラ」。個人的には「マッチ(レーサー)」も好き。

第3話でストーリー的なポイントになるのは、やはり最後の選択肢で「手を払う」が正解なところだろう。なんというか、このスピリットが作品を通してのテーマともなっている気がする。作っていた時はあまり意識していなかったと思うが。
主人公・鶴見太郎は助太刀の手を振り払うことで飛行能力を得、戦士として一人前となる。それは、一人でシナリオ・スクリプト・グラフィック・サウンドを手掛ける無理・無茶・無謀を断行した、作者自身への叱咤激励だったのかもしれない。そうして見てみると、やはりKinoko3はメタ私小説なのだなあと思え、こっ恥ずかしい限りである。

Kinoko3制作後記 第2話


第2話の基本的な構成要素は、ヒロイン(?)の一人如月清菊の登場と、戦闘におけるエクストリーム攻撃の導入。

前回、1話目の生みの苦しみは特別であると書いたが、2話目には2話目の苦しみが待っている。というかそれ以降もなんやかんやで苦しいので、結局「特別」などというものは無いのかもしれない。

第2話のシナリオではまず、1話でひっくりかえった状況をある程度整理整頓しなければならない。面倒だ。しかも、この回から前作のキャラクターが多く登場するようになる。シリーズ全キャラクター総出演、という目標を立てたので当然だが、しかしこれもまた面倒くさい。
だが、キースや安岡などのKinokoキャラクターを出すことによって、なんとなくカンのようなものを取り戻すことは出来た。既に勝手に動くようになっているキャラクターというのは、作者にとっても心強い味方だ。奴らは「Kinokoらしさとは何ぞや」というようなことを作者に思い出させてくれた。
Kinokoを作るのに大事なのは「いい加減さ」である。それは「良い加減の脱力」とも言いかえられる。とりあえず肩の力を抜け、とKinokoキャラクター達は言っているように感じられた。
そういうこともあり、物語はかつてなく大変なことになっているにも関わらず、交通整理はかなり強引にさらりと済まさせて貰った。

新キャラクター、如月清菊はギタークラッシャーのパンク少女である。
当初清菊は敵として登場する予定だった。人でありながら妻科を襲う謎の敵、のような。しかしストーリー分岐を簡易化する都合上、分岐に関わるヒロインキャラを、絡ませづらいポジションに置くことが出来なかったので没となった。清菊の登場シーンとして最初に思い浮かんだのは、戦車を次々と破壊しながらギターを片手に歩いて来る、というものだったのだが、それが使えなくなったのはちょっと残念である。

戦闘でのエクストリーム攻撃のシステム回りは、第2話のシナリオと同時に作っていた。基本的に全て泥縄式であり、システムの拡張なども後付けである。よって、スクリプトは回を追うごとにどんどん汚くなるのであった。
前作「2」から導入された戦闘シーンだが、「3」ではシステムがより複雑になっており、これが労力的なコストを跳ね上げさせていた。タッグ戦の基本システムは立案を含め約一ヶ月で構築出来たが、その後もエクストリーム攻撃の実装、特殊演出効果の対応などで、最後の最後まで苦しめられるパートとなった。
第2話ではエクストリーム攻撃の他に、チュートリアルの作成もあったので、さらに地獄を見ることに。ゲームは分業で作るべき物だ。それは間違いない。

Kinoko3制作後記 第1話


連続モノの第1話を作る際の、産みの苦しみというのは特別だと思う。
第2話以降は、第1話で築いた土台を起点に、ある意味「第1話の真似」が出来るわけだが、手本が無い全くのゼロの状態からというのは本当にしんどい。

ノリさえ決まってしまえば後はこっちのもの、などとタカをくくっていたりもしたのだが、そのノリがなかなか定まらない。「3」はこれまでのシリーズよりもストーリー性が強く、従来のグダグダゆるゆるの脱力不条理コメディ路線との共存が難しくなっていたからだ。
ストーリー性は重視したい。だが、Kinokoらしさも捨てたくない。そんなジレンマを抱えつつ、第1話はおっかなびっくり作っていた。

もう一つ心配だったのが、曲制作について。
Kinokoシリーズは曲ありきで場面を作ることが多いので、主要曲のほとんどを序盤にまとめて作っておくのが通例となっていた。「3」でもそのスタイルを踏襲しようと考えていたのだが、果たして曲をコンスタントに書けるかどうか不安があった。これまで曲はなんとなく思い浮かぶままに作っていただけだったので、「なんとなく思い浮かばなかった時」はどうしようか、と。
しかし、幸いそれは杞憂に終わった。その不安を払拭してくれたのは初めに試しに作ってみた、シリーズのテーマのアレンジ曲だった。これを作った際に「いける」という妙な手応えを感じたのを覚えている。
それによって調子を掴み第1話制作の段階で、使用頻度の高い10曲程度を一気に仕上げることが出来た。しかし、その後最終的にジングルを含め60曲以上を作ることになろうとは夢にも思っていなかった。

主人公の御手洗神菜への告白シーンから始まる第1話。だが、もちろんその後の展開はラブコメになどはならない。それどころか、作者の思惑をも遥かに超えて脱線してゆくことになるのだ。
つづく!!

Kinoko3制作後記 準備


色々覚悟完了したところで、Kinoko3の制作開始とあいなった。大学卒業後の進路は、「バイトしながらKinokoを作る人」である。どうかしている。しかしそれが帝国華撃団、もとい、鉄鋼団なのです。

さて、Kinoko3制作において、まず始めに手をつけたのはシナリオのプロット立てやらキャラクターのデザインやらの下準備。流れとして当然のように思えるが、実は前作まではこれらの作業をほとんどすっ飛ばしていた。三度目の正直というか、そろそろその間違いに気づき始めていたので、「3」はそこそこ計画を立ててから実作業に入った。

シナリオのコンセプトはずばり、「Kinokoシリーズを壊しきる」である。最終作と決めたならば、これ以上続編を出すことが出来ないところまで木っ端微塵に破壊してやろうではないか、と。
それを実現する上で気をつけるべきことは、とにかく中途半端に陥らないようにすることだった。シリーズの総決算として内容を詰め込めるだけ詰め込んだ上で、きっちり壊しきることが肝要だ。
そこで、「1」「2」では労力の問題から採用しなかったマルチエンディングの要素を取り入れることにした。といっても共通したストーリーに沿いながら、終盤からオチにかけてメインに語られるキャラクターが変わるという程度のものだが、個人制作においてはかなりの冒険だった。作業量が文字通り倍増するわけで、ネタ系バッドエンド以外の純粋なストーリー分岐に関してはこれまで二の足を踏んでいたのだが、ここに来てついにそれを解禁。これが地獄への入り口だった。
そしてシリーズ全キャラクター総出演。これまでの全ての登場人物にオチをつけるというのが、もう一つの目標となった。

グラフィック面においては「大量生産」がデザインの指針だった。
「1」「2」では共に、労力の関係から「なるべく絵をケチる」という制作姿勢だったのだが、「3」ではそこを解禁。「絵をケチらない」である。
その為、大量に描くのに適したデザインと作業工程を模索しなくてはならなかった。それに質的にも、せめて前作よりはマシにしたい。
というわけで、「3」のアニメっぽい絵柄が出来上がった。

音楽面でも「全曲書き下ろし」を解禁。
「2」では、一部「1」の曲を使い回していた、というか初出がCDメディアだったので、同梱の「1」とCD-DAを共有する形になっていたのだが、「3」では全てオリジナル曲を使用することにした。
目標は使い回し無しで「2」の曲数17曲を上回ること。また、なるべくループせず、起承転結のはっきりした曲を多くしたいと考えた。


なんだか制作後記というよりメイキング・オブ・Kinokoになってきた感があるが、それもまたヨシ!この際全部振り返ってみることにする。

Kinoko3制作後記 発端

ファイル 188-1.jpg
さて、Kinoko3の制作後記を書くことにしたものの、どこから手をつけたものか非常に困った。制作期間が長かったし、弄った箇所も膨大だ。というか全部だ。それらについて上手くまとめて語る自信が無い。
というわけで、本編と同じく泥縄式に最初の最初から思い出しながらずらずら書いてゆくことにする。


遡ること2003年、Kinoko3の計画は、前作である「2」の完成直後から始動した。実際に作業に入り始めたのは数ヶ月先になるが、「2」が完成した時点で既に「3」の構想と「避けては通れない」という気持ちが私の中にはあった。

そもそもKinoko3を作ることになった原因は、「2」の不完全さにあったと思う。前作であるKinoko2は、制作期間1ヵ月で作られたバカゲーKinoko1を、時間をかけクォリティーを上げて作り直したいと思い制作した作品だった。しかしその制作の途中で既に、当初思っていたレベルに到達出来ていないことが自覚されており、どうしてもそれが心残りになってしまった。
時間をかけて作り切るはずが、作り切れなかった。その大きな原因は、当時目の前に大学卒業という大きなタイムリミットが迫っていたからである。

「2」を作っている最中、私はまだ進路について迷っていた。というよりも、全く考えられなかった。目先の作品を作ることしか頭になかったからだ。しかし、どうにかしなくてはならない、という焦りだけは感じていた。
とある友人に「お前は馬鹿か。就職とKinokoとどっちが大事なんだ」と叱咤された私は、曖昧な笑みを浮かべたのみで確固とした返事を返すことが出来なかった。ここで「無論、Kinokkoだとも!」と言えるほどの覚悟があったならば、「2」の完成度も少しは違っていたのかもしれない。

「2」は、全体としては当時それなりに納得のゆくものには仕上がっていたとは思う。しかし「1」に比べて劇的と言えるほどの変化を遂げるには至らなかった。原因は、時間をきちんとかけなかったからだ。制作期間1年と言いつつ、実際は半年くらいしか動いていなかったのではないだろうか。残りの半年は、焦るだけで何もしていなかった。具体的には、授業をサボる、惰眠を貪る、ネトゲーにハマる、である。
私は悔いた。何故そこできっちり完全燃焼しておかなかったのか、と。
しかし悔いても遅かった。もうリベンジのチャンスは無い。リミットは目前だった。

だが、諦められなかった。もう一度リベンジしたい!
だから、就職をぶっちぎってKinoko3制作に踏み切った。
今度こそ全ての体力と気力を作品制作のみに注ぐ覚悟を決めて。

振り返ると、何故その情熱を他の有益なものに向けられなかったのかと、何故バカゲーの制作なんぞに一点集中してしまったのかと、あの頃の自分に盛大にツッコミを入れてやりたい。
しかし当時私は「カミーユを倒さないと一歩も前に進めなくなっちまった男」ことジェリド氏の如く、「Kinoko3を作らないと一歩も前に進めなくなっちまった男」に完全になってしまっていたのである。いたしかたあるまい!

Kinoko3制作後記 序

今更ながら、Kinoko3の制作後記を書こうと思い立ち、コーナーを作りました。
Kinoko1・Kinoko2の完成時には、それぞれ制作後記をサイトに掲載しており、Kinoko3完成時も制作後記を書く予定はあったのですが、なんとなく書きそびれてしまい、はや三年が経ちます。
実際は、なんとなく書きそびれたわけではなく、作者がKinokoアレルギーに罹患していたからだったりするわけですが。

鉄鋼団制作のWindows用ゲームKinoko3は、シリーズの完結編として「とことんやりきる」のを目標に作られたのですが、結果製作者当人の予想をも遥かに超えてやり過ぎてしまったため、その反動が著しく、完成後しばらくは見るのも嫌という状態になってしまいました。
クラウザー様並の悪魔玉を吐き出すことには成功したものの、その混沌なる塊を私は正直持て余しました。コレ、どうすんのよ……と。
それからも、自作に対しなんだか「上手く距離を置いて見られない」状態が続き、見てみぬ振りをしながら過ごしていたように思います。

そして完成から三年が過ぎ、流石に今では不肖の息子とも「和解」が成立して久しいです。が、それと同時にサイト上から彼奴等をフェードアウトさせる気も満々であり、密かにサイトのプロフィールの欄に「アレは黒歴史にしたい」などと記述していたりもしたのですが……。

ユーザー様からお叱りのメールを頂きました。
「珍味(うま)いと言っている人間もいるのに、コック自身が不味いと言うとは何事か」と。
これには恐ろしく目を覚まされました。全くその通りであると。
いかにアレな内容であろうとも作者自身がケチをつけるのは反則というものでしょう。VガンダムのDVDを買って何が悪い!
というわけで鉄鋼団の標語「退かぬ、媚びぬ、省みてヘコむ」の通り、己が奢りを省み、きっちりヘコみました。……申し訳ございません。

しかし、鉄鋼団はファンレターを多く貰うようなサークルではないですが、メールをくれた方は皆、お叱りも含めきちんとした感想や意見を書いて下さるので、とても感謝しています。本当にちっぽけな弱小創作サークルではありますが、ユーザーの方々には恵まれ、支えられているのだなと改めて思います。

そんなわけで、水面下で動いていたKinoko黒歴史化計画は頓挫しました。
そして、Kinokoをブラックボックスに押し込めるのではなく、今一度ちゃんと向き合うことで本当の意味での完結にしたいな、と考えを改めこの制作後記を設けることにしました。

長くなりそうなので、何回かに分けてちびちび書いてゆこうと思っております。

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